消化器内視鏡ESDトレーニングプログラム

消化器内視鏡の診断・治療のエキスパートを志す熱意ある若手内科医を募集しています。
豊富な症例数+スペシャリストの技術指導+信頼できる病理医の指導+論文執筆
そのすべてが詰まったトレーニングプログラムを紹介します。
プログラムの特徴

- 市中病院で内視鏡治療を浴びるほど経験し、さらに消化器内科全般の診療レベルを高める
- 消化器病理を深く学び診断力を高める
- 大学の教員として勤務し、学位論文の執筆を
- 全国どこでも通用する普遍的な手技・知識を身に着ける
専門性を高めつつ・消化器全般の診療も行う

当講座では、
内視鏡治療のスペシャリストを目指しつつ、消化器内科全般の診療レベルも高めていきたい
という熱意ある若手内科医を対象としております。
早い段階で、適切な内視鏡治療例を集中的に経験し最短期間で消化器病専門医・内視鏡専門医を取得することが可能なトレーニングプログラムです。
内視鏡治療は、もちろん十分な症例数を経験することが重要ですが、同時に診断精度を向上させていくために、病理学的な視点を持つことが必須になります。
当講座では、月に2回消化器病理の専門家とともに「内視鏡診断に特化した病理カンファランス」を行っており、この機会をとても重視しています。
自分が治療した検体の標本を用いて専門家の指導を受けることで、あなたの診断力は飛躍的に向上します。
また、当科では研究指導を行っています。医学博士取得に向けて学位論文の作成を指導する教育プログラムを提供していますので興味ある方はぜひお問い合わせください。
消化器内科の修練プログラムは、3年コースまたは4年コースを基本としています。(個人の状況に応じて短期の研修も受け入れていますので、適宜ご相談ください)

大学の教員として勤務・研究環境も充実
修練者の身分は、福島県立医科大学・低侵襲腫瘍制御学講座の助手(学位取得者はこれまでの研究業績に応じた職位になります)として採用します。
臨床のフィールドとして総合南東北病院・消化器内科で診療を行いますが、同時に大学の教員として研究活動も実施します。
総合南東北病院は、全国7位(東北地方1位)のESD治療件数実績を有する病院ですが(2021年度実績)、同等の件数を有する病院と比較して圧倒的に修練医師数が少ないため、短期間で一気に経験値を上げることが出来ます。
研究は国内でも有数の実績ある臨床研究者が直接研究の実施から論文執筆までを徹底指導します。
ぜひ研究実績のページもご覧いただき、興味を持たれた方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
見学、採用に関する面談は随時受け付けております。

とにかくESDの経験&病理カンファを繰り返しながら、診断力を高めていく
当院の特徴は、何と言ってもESD件数が多く、全国7位の治療件数です(2022年度実績)。
基本的な内視鏡操作ができれば、医師学年が若くても早い段階からESDを経験することにしています(実際、卒後7年目のS医師はすでに160例以上の経験を積んでいます)。
早めに治療内視鏡を経験させていくことで、通常検査・精査を行う時の診断能力も同時に鍛えていくことができます。
当科では内視鏡治療以外にも、消化器内科医の活躍の場がたくさんあります。
診断・治療の技能を高めるための教育効率を突き詰めていった結果、とにかく早めに・良い症例を・たくさん経験させるという結論に至りました。
(もちろん、修練中の医師のESDでは全例指導医がついて、危険な操作や、想定より難易度が高いと判断した場合には適宜手技を交代することはあります。)
最近、治療内視鏡を早い段階で経験することで、診断能力も相補的に高められることが分かってきました。自分が発見できなかった病変でも、治療内視鏡を担当することがあります。その場合、改めて病変をエキスパートともに徹底的に観察し、切除した検体は消化器病理の専門家とともに顕微鏡を見ながら内視鏡画像との対比を議論します。
当科の病理診断は、消化器病理の第一人者である菅井有先生(前岩手医科大学病理診断科教授)が行っており、消化器病理カンファランスは非常に高いレベルの議論が交わされています。
当科を見学の際は、ESDの技術だけでなく病理診断にも注目していってください。

どこでも通用する普遍的な診療技能の定着
医学の本質は、広く人々の健康に貢献することであり、その本分は地域医療の充実にあると考えています。当科では、専門性の高い内視鏡治療を学びつつ、消化器内科全般の診療の質も維持していくことを重視しています。
一見すると、専門性と普遍性の追求は相対することと思われるかもしれませんが、当科では、この二つの相互作用を重視しています。
専門性を追求するあまり、専門領域以外の疾患を全く診療しなくなってしまい、診療範囲を狭めてしまったり、限られた専門病院や大学病院にしか勤務したくないと考えることがあるかもしれません。専門病院は、比較的均一な症例を扱っているため、業務を効率化しやすいというメリットがあります。しかしその反面、その病院内、その診療科内でしか通用しないようなお作法が多く存在し、それに慣れすぎてしまうとますますその病院を離れて仕事をしにくくなってしまいます。
結果として、他の病院で通用しない専門医、いわゆる「専門病院の専門医」を量産してしまう可能性もあります。最終的な到達点をどこに定めるのかは人それぞれ色々な人生設計があると思いますが、私たちは卒後10年以下くらいのサブスぺ研修世代には、できる限り視野を広げて、知識・技術・人脈のすそ野を広げながら成長してほしいと願っています。
そのために、「研究に専念できるベッドフリー期間確保」、「他の専門施設への研修出向」、「学会活動・臨床研究の奨励」などを積極的に行っています。
具体的には、4年間のプログラムの中で1年間の留学期間を設けており、この間は基本給を支給したままで、完全に自己研鑽を目的とした研修・研究活動を行うこととしています。
これまでに、この期間を利用して公衆衛生大学院に入学してMaster of Public Healthの学位を取得した者、専門施設で病理研修を行った者、他の大学病院で研修を受けている者などがいます。
受け入れ先施設の了承が得られれば、自分自身で留学先を自由に決定することができますし、学びたいことがあれば、こちらから適切な施設に受け入れの交渉を行うこともできますので、適宜ご相談ください。
連絡先 |
プログラム責任者 本多通孝 |
対 象 |
卒後6年目以上 |
処 遇 |
福島県立医大のプロジェクト教員(助手)として雇用 総合南東北病院(郡山市)の外科常勤医として勤務 大学の職員として研究資源を利用することができます。また、臨床・手術のトレーニングは総合南東北病院を拠点とします。 郡山市にあるがん診療連携拠点病院であり、がん診療実績の豊富な活力にあふれる総合病院で、各科の連携が良く、コメディカルのモチベーションが高く、患者さん本位のスムーズな医療が実施できる場です。 手術のレベルも高く、消化器外科医の病院長をはじめとし、消化器外科学会指導医3名、内視鏡外科技術認定医4名、肝胆膵外科高度技能医1名が在籍しており指導に当たります。詳細は消化器センターのサイトをご覧ください。 |
修練期間 |
3年コースと4年コースを設置(経験値に応じて2年間の研修も受け入れる場合がある) 3年コースでは6カ月以内、4年コースでは1年以内の留学期間を設けています。留学先は当講座から紹介できる施設以外にもフェローが希望し、受け入れ先の許可があれば認められます。 一つの病院だけで修練を続けていくと、どうしても経験に偏りが出てしまいます。定期的な短期の院外研修(専門施設での見学)の他に、上記留学期間を利用した研修を奨励しています。 |
3年コースの到達目標 |
・胃または大腸の内視鏡外科手術を術者として完遂できる(技術認定医取得レベル) ・消化器外科専門医取得に必要な症例をすべて経験する ・自ら主体的に計画した臨床研究を実施し、英文論文をアクセプトさせる |
4年コースの到達目標 |
3年コースの到達目標に加え ・困難症例の術者経験 ・学位取得に向けた論文の完成 (条件を満たせば論文博士の申請が可能です。当科入職までの経歴・研究期間等の学位規定がありますので個別にお問い合わせください。) が組み込まれます。 また、技術認定ビデオの提出が可能なレベルに到達した段階で、ロボット支援下手術の術者機会が得られるようにします。 |
プログラム例 |
【1年次】 臨床(総合南東北病院・外科医員として) ・胃または大腸の内視鏡外科手術を中心に修練(術者は週1例を目安に経験する) ・広範囲内視鏡外科技術認定医の申請に向けた提出ビデオの撮影を行う ・消化器外科専門医取得に必要な症例は全て経験しておく 研究(平日、週1日は研究のためのベッドフリー) ・遠隔学習システムによる臨床研究の基礎学習 ・研究プロトコールの作成(8月までに研究計画を立案し倫理委員会に提出) ・研究開始・進捗をカンファランスで報告 【2年次】 留学期間(受入施設・研究所・大学) ・臨床研究の遂行や専門医取得に必要な学習・トレーニングのために、個々の希望する施設へ留学する ・京都大学臨床研究者養成コースの受講を推奨している。 (その他、個々の希望に応じて適切な専門施設を紹介。海外も可) 【3年次】 臨床(総合南東北病院・外科医長として) ・指導的立場での手術経験を積む ・専門医・認定医の取得 ・比較的難易度の高い内視鏡外科手術の術者経験 研究(平日、週1日は研究のためのベッドフリー) ・福島県をフィールドとした外科領域の臨床疫学研究の企画と実施 ・1年次、2年次の期間に収集した臨床データの解析と発表 ・国際学会での発表と英文論文の作成 ・4年コースの場合:学位論文の完成 |
勤務形態 |
平日1日を研究日としてベッドフリーとする(臨床研究の学習・計画・実施に充てる) 土日は交代制勤務 当直 月1回~1.5回 |
給与例 |
卒後6年 1000万程度 卒後10年 1200万程度 社会保障あり 住宅手当・学会出張手当あり |
修練後の進路 |
プログラム年限を満了した後の進路は個々の自由意思に任せており、縛りはありません。 過去には、継続して1-2年間残留した者、さらなる専門施設でのトレーニングに出たもの、海外留学した者、ロボット支援下手術の立ち上げを目的に他施設に異動したものなど様々です。全国さまざまな病院と交流がありますので、採用枠によって紹介・移籍したケースも多いです。 どのような進路でも、できる限り応援しますので個別にご相談ください。 |
修練プログラム1 (卒後6年目の場合)

上記プログラム例では、1年次で総合南東北病院での臨床を経験しつつ、同時に臨床研究の基礎を学び、臨床現場の「ニーズ」が何かを知る機会を持ちます。この期間には、自分自身の将来像や専門領域を具体的に考えていくことをお勧めします。というのも、それをベースに、2年次で留学期間を使って、視野を大きく広げる時間にすることができるからです。他の施設や大学院などに進学し、これまでの診療を臨床研究という目線でじっくり、深く考える時間を持つことが重要です。ベッドフリーの時間を持つことで、落ち着いて物事を深く考える習慣をつけます。ここで3年次、4年次に臨床に戻ったとき、どのような臨床研究が実施できるのかという「シーズ」を考えていくと良いでしょう。最終的には4年次までに、自分が企画した臨床研究を完遂させ、学位申請に耐えうる質の高い論文の完成を目指します。
全人的なケアを尊重する価値観
一人の医師で出来ることには限りがあります。患者さんひとりひとりにも違った価値観があり、自分一人の見識では対応できないような場面も出てくるでしょう。そのような地域医療においては、診療科を超えた連携、職種を超えた連携が何より重要です。
当科では、カンファランスや医局内で外科や放射線科との情報共有が日常的に行われており、「どちらが診る」などのいざこざは全くありません。外科は手術適応の判断が必要な症例は必ず引き受けてくれますし、放射線科は内視鏡的処置が困難な腫瘍出血や狭窄症状に対しても迅速に緩和照射などを引き受けてくれます。理学療法士や言語聴覚士は全国でも有数のスタッフがおり、廃用予防から嚥下訓練まで熱心に実施してくれます。高齢化の進む今日、ただ早期癌を発見してESDをやっていれば良いというわけではありません。社会にとって必要な診療や臨床研究があり、つねに個別の症例にとって現状の最適解は何かを考えて行動する必要があると思いますが、当院では診療科・職種に関わらず、「この人にとって何が大切か」を考える価値観が共有できていると思います。
このような環境でサブスぺ研修を受けることが、あなたの考える将来像にマッチようでしたら、ぜひ一緒にお仕事しましょう。よろしくお願いします。

プログラム終了後の進路は自由
プログラム終了後の進路は「自由」です。継続して福島県立医大の教員として、または総合南東北病院の医師として活躍していただければ嬉しいですが、まったく縛りはありません(引き止めもしませんし、行きたい施設があればできる限りの支援はします)。
当講座では、4年プログラムを終えた医師は、地元の病院でリーダーとして活躍する者、さらに専門病院や大学病院で修練を積むものなど様々です。
待遇・給与
詳細の待遇面については、これまでの経験値やご家庭の事情などによって勤務形態は応相談です。
詳しくはお問い合わせください。
【プログラムの対象】 | 卒後3年目以上・内科専門医取得見込みの方 |
【処 遇】 | 福島県立医大のプロジェクト教員(助手)として雇用 総合南東北病院(郡山市)の内科常勤医として勤務し、一般消化器内科診療を行いつつ、内視鏡治療のトレーニングと臨床研究を行います。大学の職員として研究資源を利用することができます。総合南東北病院消化器センターのサイトもご覧ください。 |
【修練期間】 | 3年コースと4年コースを設置(経験値に応じて2年間の研修も受け入れる場合がある) 3年コースでは6カ月以内、4年コースでは1年以内の留学期間を設けています。留学先は当講座から紹介できる施設以外にもフェローが希望し、受け入れ先の許可があれば認められます。 一つの病院だけで修練を続けていくと、どうしても経験に偏りが出てしまいます。定期的な短期の院外研修(専門施設での見学)の他に、上記留学期間を利用した研修を奨励しています。 |
【勤務形態】 | 平日1日を研究日としてベッドフリーとする(臨床研究の学習・計画・実施に充てる) 土日は交代制勤務 当直 月1回~1.5回 |
【給与例】 | 卒後6年 1000万程度 卒後10年 1200万程度 社会保障あり 住宅手当・学会出張手当あり (経歴・勤務形態により増減はあります。詳細は直接お問い合わせください) |
【プログラムの対象】 |
卒後6年目以上・内科専門医取得見込みの方 |
【処 遇】 |
福島県立医大のプロジェクト教員(助手)として雇用 総合南東北病院(郡山市)の内科常勤医として勤務し、一般消化器内科診療を行いつつ、内視鏡治療のトレーニングと臨床研究を行います。大学の職員として研究資源を利用することができます。総合南東北病院消化器センターのサイトもご覧ください。 |
【修練期間】 |
3年コースと4年コースを設置(経験値に応じて2年間の研修も受け入れる場合がある) 3年コースでは6カ月以内、4年コースでは1年以内の留学期間を設けています。留学先は当講座から紹介できる施設以外にもフェローが希望し、受け入れ先の許可があれば認められます。 一つの病院だけで修練を続けていくと、どうしても経験に偏りが出てしまいます。定期的な短期の院外研修(専門施設での見学)の他に、上記留学期間を利用した研修を奨励しています。 |
【勤務形態】 |
平日1日を研究日としてベッドフリーとする(臨床研究の学習・計画・実施に充てる) 土日は交代制勤務 当直 月1回~1.5回 |
【給与例】 |
卒後6年 1000万程度 卒後10年 1200万程度 社会保障あり 住宅手当・学会出張手当あり (経歴・勤務形態により増減はあります。詳細は直接お問い合わせください) |